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オリジナル・アルバム3タイトル再発に関するプレスリリース

『THE OZ TAPES』および『OZ DAYS LIVE ’72-’73 Kichijoji (50th Anniversary Collection) 』は、OZの持つ原盤を、久保田麻琴氏がプロデュースし、北米のレーベルであるTemporal Driftが制作を主導(アジア地域における制作と流通はTuff Beats)する形での発売となりました。※前者は日本国内で2022年4月27日(海外でのヴァイナル発送は11月予定)、後者はデジタルで2022年9月23日にリリース(3CD SETに関しては10月末以降に延期)。
The Last One Musiqueは、70年代に裸のラリーズが活動していくうえで多大な貢献をされた手塚実氏への敬意を表し、この『OZ』関連プロジェクトにも全面的に協力しています。

それを経て、今度はThe Last One Musiqueが中心となり、1991年にリリースされたラリーズのオリジナル・アルバム、『’67-’69 Studio et Live』、『Mizutani / Les Rallizes Dénudés』、『’77 Live』のリイシューを行ないます。引き続き日本国内とアジア地域はTuff Beats、それ以外の全世界に関してはTemporal Driftが制作・流通・販売を手伝ってくれています。

3作品を再発するにあたり、発見されたデジタルマスター(U matic. 3/4 inch cassette tape)は全部で14本。まず、ここに収められた音を取り出すところから、今回のプロジェクトはスタートしました。90年代初頭の時点で最先端だったデジタル・テクノロジーも、もはや失われた過去のものとなっており、通称シブサンとも呼ばれるデジタルテープを再生するために十分な状態を保った機械は現在ほとんど残っていません。しかし、久保田麻琴氏の尽力により、それらを再生する手段を幸運にも確保することができました。無事に救い出され、コピーされたデータには、かつて水谷孝が、70年代までのラリーズの集大成をアルバムの形に残すべく、様々な試行錯誤を重ねながら、徹底的に突き詰め、懸命にまとめあげた音が保存されていました。

1990年には、デジタル・レコーディングの技術はまだ発展途上の段階にあり、完成したデジタルマスターの音をCDというメディアに落とし込むには、さらなる壁が立ちはだかり、水谷の制作作業はいっそう困難を極めたと伝え聞きます。しかし、それから30年以上を経て格段に進化したテクノロジーは、もともとのデジタルマスターの音をより完全な形でリスナーに届けることを可能としました。

実際の作業では、14本のデジタルマスターへまとめられた元の音源として、11本のオープンリール・テープ、18本のDAT、17本のカセット・テープも並行して用意されました。それらは全て、水谷が3つのアルバムをまとめ上げるために準備したそのままの素材です。
久保田氏は、膨大なオリジナル音源も参照しながら、デジタルマスターと、91年当時の完成形となったCDの音を慎重に比較検証し、なによりも「水谷孝が最も聴かせたかった音はどんなものであったか」という点に最新の注意を払いながら、21世紀のデジタル技術をフルに使い、今回の新たなマスターを完成させてくれました。

また、アートワークに関しても、オリジナル版を手がけたデザイナーが監修を務め、可能な限り元の写真を使いながら、本来のコンセプトを崩さずに、アップデートして再現しています。

さらに今回は、3タイトルすべてがアナログ盤としても発売されます。オリジナル版が出た90年代はCD主体のマーケットであったため、その状況下では叶いませんでしたが、本来ならば、これらのアルバムはLPレコードの形で出したかったのではないか?と思わせる痕跡や証言も確認できています。ついに実現したヴァイナルというフォーマットでのリリースは、まさに30年越しの夢が実現したと言っていいでしょう。

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